アパレルに携わる人間としては必見の秀作。★4.5点
大凡のあらすじを知っていると特段驚きは無い話の展開だが役者の演技に兎に角魅了される。
リドリーらしい映像美とカメラワーク、日本人でもわかりやすく聞こえたイタリア訛りの英会話、あの時代の洋服、車、宝石、時計、インテリアなど小道具も徹底的に作り込まれている。音楽も最高にハマっている。
夫婦の間違った方向への愛、家族経営の難しさ、会社のM&Aを巡っての騙し合い・・会社規模も歴史も遥かに異なるが弊社は間も無く創業から30年が経とうとしている。自身が創業者でもあるのでこういったドタバタトラブルは絶対にごめんだ😓VUCAな時代なので会社の未来予想図を今から描き、能力と志を持った後継者を育成することがこの先5年間のメインにする仕事だ。
ジャレットレトー演じるパオログッチにジェレミーアイアンズ演じるロドルフォグッチが言い放った言葉が最も印象深く腑に落ちた。
「本物の才能は、自ずから自然にその輝きを放つ。だから、守り、敬うべきだ。偽物は、認めてもらいたいがために、すごいだろ、私を見てくれと喚き散らし、そこらを徘徊する。まったく、自分の平凡さに気付かずに」