昨日は県の労働局が主催する就職希望者の面接会に参加した。
今回は50代、60代の中高年者を対象とした場。
何故、弊社のような、”若い世代をターゲット”にした商売に中高年齢者の方の雇い入れが必要なのか・・
検討する理由は大きく二つある。
・一つは弊社は良くも悪くもスタッフ、会社共に若い(浅い)。伝統や格式といったものが会社には薄く、働くことの意義や価値を大きな視点で唱える先達がいない。人生と仕事の両面で経験豊富な方に加入して頂き若いスタッフの規範となって欲しいという願い。
・もう一つは”ある一定の年齢に達したから”という理由で会社を辞めたが、まだまだ仕事に対する情熱が枯れることなく、世の為、人の為、次世代の為にと闘志を燃やす達人がまだまだ世にいるのではないかという期待。
そんな想いを持って面接会に参加した。参加されている企業は地元の優良企業ばかり、また業種的にも建築や介護、清掃業などが多かったように感じた。
ipadを持参し、プレゼンする気満々で向かったが弊社の面接に来る方はいない。会社によっては行列ができるほど求人が殺到している人気企業もあった。
面接会が始まり、調度1時間半ほどが過ぎただろうか・・初めて一人の男性が尋ねて来てくれた。
「たまやさん、少しお話しを聞かせて頂いても宜しいでしょうか・・」
とても物腰が柔らかく、言葉が綺麗。綺麗な白髪が素敵で一目で足腰がしっかりされていることが判った。
数ヶ月前に大手企業を早期退職されたという。長年、総務課に所属し、主に経理や人事のお仕事を全うされてきたと仰る。
丁寧な言葉使い、眼鏡の奥に見える優しい笑顔・・私は直感で、求めている方と出逢えた!そう確信した。
山歩きを趣味とし、天気が良ければ山に出掛け写真を撮り、穏やかにゆっくりと残りの人生を満喫されたいと仰る。
冒頭に書いた、私の想いを伝えると優しい笑顔で話しを聞いてくれた。近々、会社見学に来て、それから決めると返事を頂いた。
今の段階では何ともいえないが、こういう先達に出逢えたことを心から嬉しく思った。
定かではないが、会場には”就職活動をしています”という印鑑を貰う目的(失業手当の需給)の為に来ている年配の方も残念ながらいたように思う。また、時給面と待遇面のことだけを聞き歩き、面接態度が酷い方もいた。
会社は一人一人の働く人の力で築き上げられる。一方では会社の理念や行動により一人一人の人間を育てていく一面もあるにちがいない。
今、私は経営者として重要な年を迎えているように思う。この先20年以上続く会社か、それとも今をピークに衰退していくのか・・
熱い気持ちが沸々とこみ上げている。