社長デスクからの眺め

私のデスクからの眺めは実に殺風景である。

商品の入った段ボール、設置場所がなく、デスクの脇に置かれたプリンター・・・
家族の写真やお気に入りの置物、会社の理念が書かれた額縁もない。
決して新しくないパソコンと、いつ必要となるか判らないような資料が脇に積まれている。
社長という立場、意識していなくてもオーラが従業員を威圧する。だから、隔離された事務所を設けてここで大半の仕事をこなす。
信頼する総務のNとは色々話をするが、彼女が帰社してからの時間が本当の意味での社長時間である。よほどの体調不良がなければ暖房も入れず、ストイックな環境で色々なことを考える。
世の中の多くの社長は浮かれたり、自惚れたりすることはないだろう。憂鬱で悲壮感を思い浮かべている。
「社長は大変でつまらない」といっては次世代の為に身も蓋もない話。1回の達成感の為に99回泣き苦しむと言い放っては何も生まれない。
この厳しさ、このプレッシャーを楽しむ鈍感さと勇気の大切を今は意識している。

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